今日も相変わらず歴史の中に潜りたい
さて、1973年、参議院議員(自民党)迫水久常の秘書を務めていた渡邉正次郎なる人物が、関東の暴走族を糾合して反共集団を作ろうと目論んでいたそうだ。当時都内で幅を利かせていた「極悪」というグループが声をかけられ、新宿の風林会館で会合を持ったそうだが、結局「極悪」は離脱。しかし「関東連合」なるワードはこの時期に発生していると考えられる。のちの暴走族が右翼的なアイコンをファッションに取り入れるようになったことにも影響関係があるのだろうか。
歴史を知る醍醐味は、同時期に複数の全然違う出来事が後につながったり、もともと一体だったものが離れて今では全然別のものとして認知されていたりなどといった、無数の流れを知ること。その楽しさにハマると、「世界(もしくは日本)はひとつの悪の組織に支配されている」的な観念は正確でないことが分かるし、そもそもそのような観念に依拠すること自体がひどく退屈だと思えるようになる。
むしろさまざまな流れや偶然性によって左右されてしまうからこそ、世界というものはタチが悪い。そのタチの悪さに斬り込むために歴史に潜り込むのだが、パッと見あまり有効ではなさそうに見えるし、人目につかないので、注目されない。それでも構わないというところから始めたい。
今回の件で言えば、やはりずっと問題を追っかけてるジャーナリストの人たちはすごい。現場で発揮する力はもちろん、当然歴史にも精通している。改めて、尊敬してしまう。隠され、無視され、ごまかされていることを、ネットの波に流されずに正確に暴く、ジャーナリズムの力が試される時代に突入したと思う。