革命について

NHK「100分de名著」が、マルクス資本論』などをテーマにしていて、僕の観測範囲だとわりと評判になっている。実際見てみたら面白かった。なんというか、自分たちが生きている世界を根底から問うような内容なのが良いと思う。根底から問い、ひっくり返す可能性も示唆する。この「ひっくり返す」というのが重要で、いまは多くの人が「ひっくり返らない」と思っている時代だから、やる意味がある。

 

「革命」という言葉があるけれども、基本的にそれを夢想的なもの、子どもっぽいものとして捉えるような意見を目にすると、いやいや……そういうことでもないでしょ、となる。夢みたいなことを言ってないで、大人になろう、現実を見よう、というのは簡単だし、それなりに説得力がある。とくにここ日本だと、歴史上「革命」とよばれる出来事を経験していない、と思われがちので、妥当だという感覚があるかもしれない。しかし、日本の近現代史をひもとけば、革命への条件がわりと揃って「ととのいました」寸前になったことなら何度かある。取り急ぎ、二・一ゼネストを挙げておくけれども、それも汲んだうえで不可能だと言うならまあ仕方ない。でも僕はそう思ってはいない。

 

人が生きづらいと感じるときに、それは自分が悪いから、周りに合わせられないからだと結論づけるのは、この現代において当たり前になっているけれど、周り、ひいてはこの世界を構成しているシステム自体の方が問題なんだよと考えてみることは何も悪いことではなく、むしろそう判断したほうが世界の仕組みが見えやすくなると思う。しかし、そのときに何を選択するかというのはわりと難しくて、うっかり奇妙な思想にハマってしまう落とし穴も多い。しかしそういう穴というのは簡単な仕掛けになっていて、誰かが悪いとか悪の組織がいるとかそういった、特定の誰かや人々に悪を押し付けるようなものだったりするので、そこを避ければよい。そんなわけでマルクスを読んだりするのはよい。結局資本主義とは何なのかと考えるのがベスト、というか、それが最もスリリングで楽しいことが、NHKの番組とかで分かったらそれはよいことだと思っている。

 

さて、「革命」については、パンス年表(という通称で呼ばせて下さい)がなぜ1968年から始まっているのかという話をしたい。これはまた次の機会とします。