終末に向かって

12月になった。僕は年末になると妙にテンションが上がってしまう性格で、急に毎日日記を付け始めているのもそのせいかもしれない。終末に向かっていく感覚が気持ちいいというのもあるし、周りも少し浮足立っているのがよい。かつて鶴見済がコラムで、一年で一番いやな日は1月4日だと書いていた。大晦日までの気分と正月休みを抜けて、テレビも通常の番組に戻ったりしてつまらなくなってしまうからだ。子どもの頃読んでえらく共感したのを覚えている。そんなわけで、小さい時分から年末好きだったのだ。90年代半ばくらいまでは、年末番組の世界が狂気じみて見えたものだ。いまでは到底不可能な企画も多かったと記憶している。その頃を懐かしく思ったりはしないのだが……、「絶対に笑ってはいけない」シリーズが始まってから、なんだかなあと感じるようになってしまった。面白さがどうこうではなく、リアルタイムではない放送に対してテンションが下がってしまうのだ。

大人になると、忘年会のようなイベントもある。率先して楽しむほどではないものの、会場を出てキンと冷えた冬の夜、友人と歩いたりするのは好きだ。しかし、今年はCovid-19のせいで難しくなってしまいそうだ。未知の大晦日を迎えようとしている。